2020年9月号
富士薬局ジャーナル
まだまだ残暑が厳しい日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。先日は安倍首相が辞任を表明しましたが、今年はコロナの影響もあり、激動の2020年であることを痛感します。
また今年は、黒人が白人の警官に殺害されたことを契機に、BLM (Black Lives Matter)という言葉を目にするようになりました。
BLMは日本では「黒人の命も大事」と訳されることが多いのですが、そもそも生物学的には人種というのは存在しません。色の違いで人を分類することは生物学的にできないのです。それでも自身を黒人としてBLMのプラカードを掲げることは、黒人というカテゴリーを作って支配した白人への反抗であり、これが今も続いていることを意味します。この作為的に人種というカテゴリーで支配する考え方をracism(レイシズム、人種差別主義、人種主義)と呼びます。
この問題は黒人だけの問題ではありません。白人が作ったracismというシステムは、実は私たちの身近な問題でもあると思うのです。
今回はちょっとかたい話ですみません。こんなご時世だからこそ、少しでも弱者の気持ちに寄り添える寛容さを忘れないようにしたいと思います。