2020年10月号
富士薬局ジャーナル
季節は夏から秋へと変わり、空を見上げると雲の形や虫の声など様子を変え、季節の移ろいを感じるこの頃です。最近はコロナの影響もあり外へ出る機会が少なくなりましたが、変わらない風景や人の姿は私たちに安心を与えてくれる気がします。
さて先日、見ていたドラマ『半沢直樹』が最終回をむかえました。志しの高い銀行員である半沢直樹が悪人を懲らしめる、最近では珍しい勧善懲悪の痛快なお話です。
この半沢という男、金や権力、私利私欲のために動く権力者の悪事を暴き、「やられたらやり返す」と相手を恫喝して土下座させるのですから、決してまともではありません。まあ、その大げさな演出が面白いのですが、みんなが半沢みたいに自分の正義を振りかざしていたら世の中あっという間に戦争です、笑。
しかし世の中は残念ながら半沢の世界のように悪と正義でわかれてはいません。信頼していた人に裏切られたり、よかれと思ってしたことが結果傷つけてしまうこともあります。そんな理不尽な社会を生きる人たちの声を代弁した半沢の言葉に多くの人が共感したのかもしれません。
また現実は、コロナの影響で人生が一変してしまい、環境もガラッと変わってしまった方も多いと思います。
劇中の最終回では、半沢の奥さんが、「生きていれば何とかなるよ」と声をかけるシーンが印象的で、今日は秋の空を眺めながら、そんなことを思い出しました。