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富士薬局ジャーナル

2025年12月号

富士薬局ジャーナル 

今年も残すところ1か月、私は今月51歳の誕生日を迎えます。誕生日をめでたいものと感じられない昨今ですが、妻にそのことを言うと、この年まで生きて誕生日をむかえられたことに感謝すればいいんだよといわれ、確かにその通りと納得しました。

下の息子は来年で小学6年生になりますが、今どきの小学生は中学受験する子も多く、勉強への意識も高いようです。思えば私の学生時代も受験戦争に氷河期といわれ、時代の荒波にのまれ溺れないようもがいていました。大学時代は研究室で苦楽を共にした友人と今では年賀状のやり取りだけではありますが、当時の交流は私の中では今でも宝物のように記憶に刻まれています。

友人A君とは大学院まで3年間、飯を食べに行ったり、遊びに行ったり、卒業時には旅行に行ったりもしました。彼もまた私と同様に人付き合いの上手な人間ではなく、独特の考えを持ち、一人でいることが多かったのですが、不思議と次第に一緒に過ごす時間が増えました。

私たちの時代の後に「ゆとり」という言葉が生まれるのですが、言い換えれば私たちはゆとりのない時代で、がんばって当たり前の感覚がマヒした環境で生きていたように感じます。そんな時代の中、周りの人とのズレを感じ、迎合しないA君の独特の感性は私の中である種の共感となり、彼とはうまくやっていけていたのかもしれません。

そんなA君とは卒業後はあまり会う機会もなく、年賀状以外の連絡を取ることもありませんでした。そして先週、その彼が亡くなったと訃報が届きました。

後日、ご遺族の方からお話を聞けたのですが、お酒を飲みすぎたことにより肝硬変で亡くなったとのことでした。その話を聞いた瞬間、私はあの大学時代いつも一人でいた彼の姿を思い浮かべました。

A君は当時のように自分がしたいことをして、苦手な人付き合いを避けて過ごしてきたのでしょうか。なんにせよ、もし酒におぼれてしまったのであれば、彼の中で抱え込んでいた何かがあったのだと思います。時代の波にあらがえなかったか、それともあらがった結果なのか、その真相はわかりませんが、私の中での心残りはそんな時に近くにいてあげられなかったことで、とても残念です。ですが、同じ時代を生きた戦友として弔いたいと思います。

生き方に正解はなく、どう生きるかは人それぞれではありますが、少しでも記憶に残るような宝物をだれかと見つけ、ほんの欠片でも残していけたらいいなと思います。そのためにもまずは健康第一で、体を大切にしたいと思います。

今年一年本当にありがとうございました。

今も大変な時代ではありますが、皆さまもどうかお体に気を付けてお過ごしください。

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