桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
解説
瘀血(おけつ)の薬の代表格がこの桂枝茯苓丸です。瘀血とは末梢血管の循環障害の病態を指しますが、瘀血によって引き起こされるすべての病気に対し、広範囲に用いられます。
本剤は末梢血管の血流をよくすることから、瘀血の方の冷えや肩こりに用いられます。また、うっ血をちらし、炎症を抑える効能があることから、瘀血による頭痛、生理痛、打撲やニキビにもよく用いられます。
特徴としては皮膚が浅黒く、手足の末端が冷えがあり、体のどこかに炎症が確認できる方に用います。炎症がなくても、例えば生理痛や頭痛などの鈍痛があったり、のぼせといった症状でも大丈夫です。虚証で寒証のみの方には決して用いませんが、明らかな実証でなくても上記のような病態であれば、たとえやせていても問題なく用いることができます。
温性が強いので、脳や心臓などに出血のリスクがある方には、冠元顆粒や田七人参を用います。
構成生薬
- 桂皮
- 芍薬
- 茯苓
- 牡丹皮
- 桃仁
適応症状
- 肩こり、頭重、めまい
- のぼせて足冷え
- 生理不順、生理痛
- 更年期障害、血の道症
- 打ち身(打撲症)
- しもやけ、しみ
- 不妊
注意
- 妊娠時に服用すると早流産のリスクを高めるため、妊娠が判明した際は服用はお控えください。