桂枝湯(けいしとう)
解説
桂枝湯は傷寒論における基本処方です。傷寒論においては太陽病期の薬として登場します。太陽病というのは邪気が体表に入り込み、悪寒・発熱といった初期の感冒にみられる状態をさします。邪気が体表に入ると衛気の流れが阻害され、体表面の発汗機能や免疫機能が低下します。桂皮の働きにより衛気の流れを高め、邪気を発散し、芍薬により陰液を補うというバランスのとれた方剤であります。
使い方としては、風に当たるとゾクッと寒気を感じ、背中に汗がじわっとかくような初期の風邪に用います。寒気を感じる初期の風邪には発汗させる必要があることから、現在では葛根湯や麻黄湯の方が頻用され、桂枝湯の出番はあまりありません。しかし葛根湯や麻黄湯だと汗をかきすぎて虚脱してしまうタイプの方には、本剤の適用となります。
構成生薬
- 桂皮
- 芍薬
- 大棗
- 甘草
- 生姜
適応症状
- 風邪
- 頭痛
注意
- 甘草を含むことから他に漢方薬をお飲みの場合は注意してください