五積散(ごしゃくさん)
解説
五積散は、体表を温める生薬や胃腸を温める生薬、さらに痰飲(体の余分の水分)を除く生薬から構成される応用範囲の広い処方となっています。五積の五は「寒・食・気・血・痰」を表し、それぞれの積滞に対応することから五積散と名づけられました。
構成生薬をみると、桂枝湯、麻黄湯、平胃散、半夏厚朴湯、排膿散及湯、平胃散、二陳湯、四物湯等、さまざまな漢方薬が見え隠れします。そのため、臨床における応用範囲は広く、感冒、腰痛、胃腸の不調など多岐にわたります。
胃腸の働きを高め、痰飲を取り除くことから、胃腸の弱い方で、他に適した漢方薬がない場合に本剤を選ぶと良いことがあります。また当帰、芍薬、川芎といった補血、活血の生薬が配合されていることから、どちらかというと女性の方が本剤に適応すると思われます。
構成生薬
- 蒼朮
- 白朮
- 陳皮
- 茯苓
- 半夏
- 当帰
- 厚朴
- 芍薬
- 川芎
- 白芷
- 枳穀
- 桔梗
- 桂皮
- 麻黄
- 大棗
- 生姜
- 乾姜
- 甘草
適応症状
- 胃炎、胃弱
- 腰痛、坐骨神経痛、リウマチ
- 感冒