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富士薬局ジャーナル

2025年7月号

富士薬局ジャーナル 

暑熱順化

あっという間に梅雨もあけ連日夏日の暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。

この暑い日が続く中、東陽町の実家ではリビングのエアコンが故障しました。窓を全開にして、扇風機で風を回し続けなんとかしのいでおりますが、扇風機の風も意外とここちよいものです。風にあたっていると、40年前のエアコンがない時代の夏の日を思い出します。ジトっと暑くて、スイカのおいしいあの夏です。

エアコンの環境にいることが多いと、自然に汗をかく扇風機の風のほうが体によいのではと感じます。たしかに、汗をかくことは体にとってとても大切な機能です。

最近、「暑熱順化(しょねつじゅんか)」という言葉を耳にします。暑熱順化というのは、「体が暑さに慣れること」です。

順化しないと、発汗がうまくできず体温が上がりやすい状況になります。6月や7月の梅雨明けの時期は特に、順化できていない人が多いので熱中症の方が多いといわれています。

一般的に暑熱順化には7日~14日の間、暑さに少しずつ慣れていく必要があります。これは熱中症の予防だけでなく、健康にも大きなメリットがあります。順化をすることで発汗効率があがり、心拍数が低下し、心臓への負担が軽減するというデータもあります。

実際に65歳以上の高齢者が週3、4回の軽い運動を2週間行った結果、発汗量増加し、深部体温が抑えられ、熱中症のリスクが低下したという報告もあります。

では、具体的に暑熱順化をするためにはどうしたらよいかということで一例をご紹介したいと思います。

・週に3、4回程度、気温が28度未満の涼しい時間帯に、最初は20分、慣れてきたら30分ウォーキングやなどの軽い運動を行います。

・普段外にでることが少ない方はエアコンの設定温度を弱めの26~28度に設定し、ストレッチなどで汗をかく練習をはじめてから屋外へ行くことをお勧めします。

・通気性の良い服で、帽子や日傘などで紫外線対策をしてください。

・汗をかいた際は経口補水液などで水分補給をおこなってください。

・運動中に疲労やめまい、過度な発汗がありましたらすぐ中断し休息日をもうけてください。

以上が暑熱順化の一例ですが、年齢や持病によっては自分に合った運動の時間や種類が必要になると思います。適度に暑さになれ、暑さに負けない体を作っていきましょう。

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