呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
解説
主薬である呉茱萸をはじめ、生姜、人参と胃腸を温めることから、冷えがあり、胃腸の悪い方の頭痛や片頭痛の薬として用います。手足が冷え、吐き気を伴う症状に効果的です。
片頭痛といえば、五苓散ですが使いわけとしては、痰飲症状(めまい、胃内停水)が顕著であれば五苓散、冷えや疲れやすい(陽虚、気虚)が顕著であれば本剤を試してみるとよいと思います。また、疲れやすいことはないが、手足の冷えが顕著で血が足りていないような方は当帰四逆加呉茱萸生姜湯がよいと思います。
頭痛の薬として有名ですが、吐き気にも効果的です。妊娠中のつわりに対し、小半夏加茯苓湯が効かないような場合に本剤がよく効くことがあります。
しゃっくり(吃逆)が止まらない時に通常、柿のへたを使った柿蔕湯(していとう)がよく用いられますが、本剤もしゃっくりに効果的です。柿蔕湯ない場合はぜひ試してみてください。
構成生薬
- 呉茱萸
- 人参
- 大棗
- 生姜
適応症状
- 頭痛
- 吃逆(しゃっくり)
- 悪心、嘔吐
注意
- 甘草を含むことから、他に漢方薬を服用の方は注意が必要です。